神経内科ニュース

2014年5月15日(木) 緑茶を飲む頻度と、その後の認知機能低下との関連を明らかにした論文が、PLOS ONE 誌に掲載され、金沢大学からプレスリリースされました。

当科では、石川県七尾市中島町において,自治体や地域住民の協力を得て,認知症の早期発見・予防をめざす研究プロジェクト(なかじまプロジェクト)を平成18 年から実施しています。今回,篠原Drらは、認知機能が正常な地域住民を対象に,緑茶・コーヒー・紅茶を飲む頻度と,その後の認知機能低下との関連を研究しました。その結果,約5年後に認知機能が低下しているリスクが,緑茶を全く飲まない群と較べて,緑茶を週に1〜6 回飲む群では約1/2に,緑茶を毎日1 杯以上飲む群では約1/3 に減少していることを見出しました。一方,コーヒーや紅茶では,このような認知機能低下との関連はみられませんでした。
この結果から,緑茶摂取習慣が認知機能低下に予防的効果を有する可能性が示唆され,また,緑茶に含まれる天然化合物の作用機序の解明が有効かつ安全な認知症予防法開発につながることが期待されます。

この研究成果は5 月14 日午後5 時(米国東部標準時間)に,米国科学誌「PLOS ONE」オンライン版に掲載され、金沢大学からプレスリリースされました。

・論文
Noguchi-Shinohara M, Yuki S, Dohmoto C, Ikeda Y, Samuraki M, Iwasa K,
Yokogawa M, Asai K, Komai K, Nakamura H, Yamada M.
Consumption of Green Tea, but Not Black Tea or Coffee, Is Associated with Reduced Risk of Cognitive Decline. PLoS ONE 9(5):e96013, 2014. doi:10.1371/journal.pone.0096013

・金沢大学
金沢大学Web広報誌e-Acanthus 「緑茶を飲む習慣と認知機能低下との関連を発見!」(2014年5月15日)
 
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