金沢大学脳神経内科で七尾市中島町の検診を行った方へ
金沢大学脳神経内科で七尾市中島町の検診を行った方へ
研究課題名「地域住民を対象とする脳老化関連疾患の悉皆調査における遺伝子解析研究について」
地域住民を対象とする脳老化関連疾患の悉皆調査における遺伝子解析研究について
私たちは七尾市中島町で検診を通じて認知症など脳老化に関連した疾患について疫学研究を行っています。これらの脳老化に関連した疾患について、遺伝子の研究も併せて行っています。認知症を含めた脳老化関連の遺伝子研究は全世界規模で日々進歩しており、新たな遺伝子の報告などが学術誌などで発表され続けています。
今まで私たちは特定の遺伝子に注目して研究を行っていましたが、今回、遺伝情報の全てを網羅的に解析する研究を計画しました。これにより、認知症など脳老化に関連した疾患の発症と、ヒトそれぞれの遺伝子の違いがどのように関係しているか、さらに詳しく調べることができます。これにより将来、より正確な診断や有効な治療ができるようになると期待されます。
なお,この研究は,金沢大学ヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理審査委員会の審査を受け,金沢大学医薬保健研究域長の承認を得て行っているものです。
1.研究の対象
平成20年4月25日以降に七尾市中島町で検診を受けられ、遺伝子研究に同意をされた方を対象としています。遺伝情報のすべてを網羅的に解析する研究に参加したくない方がいらっしゃいましたら,そのことをお申し出ください。その場合,新しく計画したこの研究にはDNAは使いません。また,ご自分がこの研究の対象になっているかお知りになりたい方についても,お調べしお答えいたします。
2.研究の目的について
研究課題名:地域住民を対象とする脳老化関連疾患の悉皆調査における遺伝子解析研究について
この研究では、地域住民の方の遺伝情報を網羅的に調べることにより、認知症を含めた脳老化疾患を網羅的に検索し、新たな認知症に関連する遺伝子を見出すことを目的としています。
3.研究の方法について
この研究では平成20年4月25日以降に七尾市中島町で検診を受けられ、遺伝子研究に同意をされた方について、保存済みのDNAサンプルを用いて遺伝情報を網羅的に分析します。これは、神経内科研究室ならびに革新ゲノム情報学講座で行います。そのときに参加者のお名前などの個人情報を削除します。この後,必要なデータをまとめ,脳老化に関連する病気の発症と遺伝子との関係についての研究を行います。集めたデータは学会や論文などに発表される事がありますが,個人情報が公表されることはありません。
4. 解析結果の開示について
遺伝子解析の結果、関連が示唆される遺伝子が見いだされたとしても、この遺伝子変異と遺伝性疾患の因果関係を示すのが容易ではない場合が多いため、原則としてその結果をお知らせすることはありません。ただし、遺伝性疾患との関連が確実で、その疾患が治療可能なものであり、直ちに情報をあなたにお伝えすることが有益だと思われる場合に限り、あなたが希望をすれば開示することがあります。その場合、原則として本人と代諾者に対してのみお知らせしますが、同じ遺伝子を受け継いでいるかもしれない血縁者にもお知らせするかどうかについては、改めて本人と代諾者に問い合わせることがあります。
5.遺伝カウンセリングについて
病気のことや遺伝子解析研究についてご相談したい方には、カウンセリングを担当する専門のスタッフをご紹介いたします。また、本研究の研究計画書及び、研究方法についての資料もご希望に応じて提供することが可能です。お気軽に末尾に記載の連絡担当者までお寄せください。
6.研究期間
この研究の期間は,金沢大学ヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理審査委員会の承認日から2022年3月31日までです。
7.研究に用いる試料・情報の種類
これまでの研究計画で同意を頂き、当科で保存しています血液から抽出しましたDNA検体を用います。これまでの研究では限られた特定の遺伝子を調べることを行っていましたので、個人を特定できるような多くの情報は得られませんでしたが、今回の研究計画では、網羅的に全ての遺伝子を対象としますので、仮にその情報が流出した場合には大きな問題となります。そのため、得られました情報等に関しては、カルテ番号、生年月日、イニシャルなど個人が特定可能なデータは削除し、符号がつけ、その対応表を厳重に管理します。そのため、住人の方から得られた遺伝情報を含めた検査データ等と臨床情報等はその対応表がなければ結びつかないような形で、個人情報保護に配慮をします。
8.外部への試料・情報の提供・公表
遺伝子解析の一部を、共同研究機関である成育医療研究センターにお願いすることがあります。その際には個人情報を削除し、暗号化した検体を送付し、個人特定につながる情報は提供しません。
9.予想される利益と不利益について
この研究は遺伝子の網羅的な情報を扱います。遺伝子はある特定の遺伝子変異を持つと疾患と関連することもありますが、その因果関係を証明することは困難で、基本的にはご参加頂いてもその情報をお伝えすることはありません。そのため、この研究に参加しても参加者に直接の利益はありません。予測される不利益としては、個人情報の流出の可能性を考えます。特に今回扱うのは網羅的な遺伝子の情報ですので、個人識別が可能なデータといえます。そのため、個人情報の保護は必ず求められ、外部にデータ流出などがないように、細心の注意を払います。
10.プライバシーの保護について
この研究では,参加者のお名前に対応する番号をつけた一覧表を作り、データの調査には個人情報の含まれない対応番号のみを使います。データの調査のときに個人情報が漏れないように、この一覧表は,データとは別に取り扱います。
また,この研究で得られた結果は学会や医学雑誌等に発表されることがありますが、あなたの個人情報などが公表されることは一切ありません。
11.研究参加に伴う費用の負担や通院について
この研究に参加することによる費用の負担や研究のためだけの新たな通院はありません。
12.研究組織
研究分担者名
氏名 | 所属 | 職名 |
---|---|---|
中村 裕之 | 医薬保健研究域医学系 | 教授 |
田嶋 敦 | 医薬保健研究域医学系 | 教授 |
細道 一善 | 医薬保健研究域医学系 | 准教授 |
岩佐 和夫 | 医薬保健研究域医学系 | 准教授 |
浜口 毅 | 附属病院神経内科 | 講師 |
坂井 健二 | 附属病院神経内科 | 助教 |
篠原もえ子 | 医薬保健研究域医学系 | 助教 |
堂本 千晶 | 医薬保健研究域医学系 | 研究員 |
阿部 智絵美 | 医薬保健研究域医学系 | 研究員 |
林 幸司 | 大学院医薬保健学総合研究科 | 大学院生 |
13.研究への不参加の自由について
試料・情報が当該研究に用いられることについて、ご参加いただける方もしくはその代理人の方にご了承いただけない場合には、研究対象としませんので、2017年9月30日までに下記の問い合わせ先までお申出ください。
14.個人情報の開示について
金沢大学における個人情報の開示の手続については,次のホームページを参照してください。
http://www.adm.kanazawa-u.ac.jp/ad_syomu/kojin-jyouho/
15.研究計画書など資料の入手について
この研究の研究計画書などの資料が欲しい,またはご覧になりたい場合は,研究に関する窓口に問い合わせてくだされば,対応いたします。
16.研究に関する窓口
この研究の内容について,わからない言葉や,疑問,質問,自分がこの対象の対象になるかなど,更に詳細な情報をお知りになりたいときには,遠慮せずにいつでもお尋ねください。
金沢大学医薬保健研究域医学系 脳老化・神経病態学(脳神経内科学)
篠原 もえ子、山田 正仁
電話番号:076−265−2292
ファックス番号: 076−234−4253