診断研究(画像・MEG・その他)
研究紹介
画像研究グループは、画像データを主に用いて、アルツハイマー病(AD)などの脳神経変性疾患における早期診断法の確立をめざして研究を行っております。
ADの画像所見としてMRIでの海馬萎縮や、18F-fluorodeoxyglucose PET (FDG PET)画像での頭頂葉、後部帯状回/楔前部の代謝低下などが知られています。(図1)
近年ではSPM(statistical parametric mapping)やVBM(voxel-based morphometry)といった統計学的画像解析法を用いることにより、より客観的に異常を捉える手法が普及しています。これらの統計学的画像解析法は正常コントロール群と比較して、その差異を統計学的に捉える方法であるため、施行には正常コントロール群のデータが必須です。
当画像グループ教室では、2002年に先端医学薬学研究センターとの共同研究で石川ブレインイメージング研究(The Ishikawa Brain Imaging Study, IBIS)を立ち上げ、日本人脳における脳機能データベースを構築し、これをベースとした統計学的画像解析法を用いてADの診断、病態の研究を行いました。
IBISは2015年に終了しましたが、現在画像グループは松任石川中央病院との共同研究にて、もの忘れ外来を受診した患者様さんの18F-fluorodeoxyglucose PET(FDG PET)検査、11C-Pittsburgh Compound B(PIB PET)検査を行い診療に貢献するとともに、蓄積された知見を元にした統計学的解析を通じ、ADの診断、病態の研究を続けています。
図1.健常者とアルツハイマー病患者の頭部MRI、頭部FDG PET画像。
-
・アルツハイマー病患者において、海馬領域の萎縮、頭頂葉と後部帯状回の代謝低下(矢印)が目立つ。