金沢大学附属病院神経内科を受診した遺伝性ATTRアミロイドーシス患者さんへ
研究課題名 「 遺伝性ATTRアミロイドーシスV30M変異における脳神経障害合併の臨床的特徴に関する研究 」
遺伝性ATTRアミロイドーシスは、トランスサイレチン(TTR)遺伝子変異に起因しタンパク質が変性することでアミロイドとなり、多臓器に沈着することで機能障害を来す疾患です。本邦で最も頻度の高いTTR遺伝子変異はV30M変異(30番目のコドンのアミノ酸がバリンからメチオニンに置き換わっている)であり日本人患者の約85%がこの変異を有しているとされています。V30M 変異を有する患者は,長野県や熊本県の集積地に多く見られる若年発症型と, 非集積地で多くみられる高齢発症型の二種類に大別されます。V30M変異を有する遺伝性ATTRアミロイドーシスで高頻度に見られる症状として、感覚運動性多発ニューロパチー,自律神経障害,手根管症候群,心症状,眼症状,髄膜アミロイドーシスによる中枢神経症状などが知られています。その他に脳神経障害を来した症例の報告も見られていますが、どのような患者で脳神経障害をきたしやすいかなど臨床的特徴についてはあまりよくわかっていません。こうした疑問に答えるために,2004年3月から2017年3月までに当院に入院された患者様の診察所見, 検査結果, 臨床経過を調べる研究を予定しております。
この研究ではこれまでに行われた検査や診療内容のデータを使いますので,患者様の負担はありませんし,今後の治療方針にも影響しません。また費用の負担もありません。
なお,この研究は,金沢大学医学倫理審査委員会の審査を受け,医薬保健学域長の承認を得て行っているものです。
1.研究の対象
2004年3月から2017年3月までに当院神経内科で入院精査を行ったV30M変異を有する遺伝性全身型ATTRアミロイドーシスの患者様が対象です。もし, この研究に参加したくない方がいらっしゃいましたら,そのことをお申し出ください。その場合,データは使いませんし,これからの治療に差し支えることも全くありません。また,ご自分がこの研究の対象になっているかお知りになりたい方についても,お調べしお答えいたします。
2.研究の目的について
この研究ではV30M変異を有する遺伝性ATTRアミロイドーシス患者様の中で,過去の診療録のデータを元に,この病気における脳神経障害合併例の特徴を調べることを目的としています。
3.研究の方法について
この研究では,2004年3月から2017年3月までに当院神経内科で精査を受けたV30M変異を有する遺伝性ATTRアミロイドーシス患者様について,診療録のデータを使います。そのときに患者様のお名前などの個人情報を削除します。この後,臨床的特徴について必要なデータをまとめ,研究を行います。
4. 研究期間
この研究の期間は,金沢大学医学倫理審査委員会の承認日から2023年3月31日までです。
5. 研究に用いる試料・情報の種類
この研究の実施には,患者様のカルテ情報を使用させて頂きます。特に新たに血液などの検体を採取することは行いません。
6. 外部への情報の提供・公表
外部へのデータ提供は行いません。
7. 予想される利益と不利益について
この研究は臨床データをもとに行う研究であり、この研究に参加しても患者様に直接の利益はありません。不利益(副作用)については、侵襲のある検査などは行いませんので特別不利益もありません。個人情報漏洩の危険はゼロではありませんが、そういうことがないようにデータの取り扱いについては、外部に漏れることが無いよう細心の注意を払います。
8. プライバシーの保護について
この研究にご参加いただいた場合、患者様から提供された診療情報の, この研究に関するデータは、個人を特定できない形式に記号化した番号により管理されますので、個人情報が外部に漏れることは一切ありません。
この研究で得られた結果は学会や医学雑誌等に発表されることがあります。このような場合、患者様の個人情報などのプライバシーに関するものが公表されることは一切ありません。
9. 研究参加に伴う費用の負担や通院について
この研究に参加することによる費用の負担や研究のためだけの通院は必要ありません。
10.研究組織
研究代表者
氏名 | 所属 | 職名 |
---|---|---|
山田 正仁 | 医薬保健研究域医学系 | 教授 |
研究分担者名
氏名 | 所属 | 職名 |
---|---|---|
岩佐 和夫 | 医薬保健研究域医学系 | 准教授 |
浜口 毅 | 附属病院神経内科 | 講師 |
坂井 健二 | 附属病院神経内科 | 助教 |
野崎 一朗 | 附属病院神経内科 | 助教 |
中村 桂子 | 医薬保健研究域医学系 | 特任助教 |
南川 靖太 | 附属病院神経内科 | 医員 |
11.研究への不参加の自由について
試料・情報が当該研究に用いられることについて、患者様もしくは患者様の代理人の方にご了承いただけない場合には、研究対象としませんので、2019年5月1日までに下記の問い合わせ先までお申出ください。
12.個人情報の開示について
金沢大学における個人情報の開示の手続については,次のホームページを参照してください。
https://www.kanazawa-u.ac.jp/university/jyouhoukoukai/document/hoyukojinjouho_annai
13.研究計画書など資料の入手について
この研究の研究計画書など資料の閲覧を希望する場合は,研究に関する窓口にお問い合わせ願います。
14.研究に関する窓口
この研究の内容について,わからない言葉や,疑問,質問,自分がこの対象の対象になるかなど,更に詳細な情報をお知りになりたいときには,遠慮せずにいつでもお尋ねください。
研究責任者:山田 正仁(金沢大学医薬保健研究域医学系 脳老化・神経病態学(神経内科学) 教授)
問合せ窓口:南川 靖太(金沢大学附属病院神経内科 医員)
住所:金沢市宝町13-1
電話:076-265-2292