入院診療実績
脳神経内科の病棟は東2階にあり、定床は20床です。神経変性疾患が多いですが、科の特性上緊急入院も多く、定床数を超えての入院の状況となっています。脳神経内科の社会的なニーズは高まっており、入院までの待機期間が延びてしまうことが恒常的に続いています。2020年1月~12月の退院患者ののべ人数は168例でした。また近隣の関連病院の先生方には、病床数の関係で当院では担当しきれなかった患者さんの診療を快くお引き受けいただき、誠にありがとうございました。
入院症例の内訳は下記に示すとおりで、運動ニューロン病、Parkinson症候群などの変性疾患も多いですが、自己免疫疾患、感染症など多岐にわたります。これから専門医を目指す先生方にとっては多彩な症例を多数経験でき、バランスの良い研修ができたのではないかと思います。
脳血管障害や認知症といった頻度の高いものから希少疾患まで非常に幅広い領域に対応する必要があり、その中で診断技術の進歩や治療法など日進月歩で、各疾患の最新の知見についていくだけで必死の毎日です。これらの幅広い疾患に対応できるよう、全体カンファレンスやチームミーティングを通じて意見交換しあって日々研鑽に努めています。
<疾患内訳>(例数)
血管障害 13
脳梗塞 13
感染症・炎症性疾患 7
細菌性髄膜炎 1
サルコイドーシス 1
抗LGI1抗体陽性脳炎 3
播種性クリプトコッカス症 1
結核性脳髄膜炎 1
変性疾患 57
筋萎縮性側索硬化症 23
球脊髄筋萎縮症 2
脊髄小脳変性症 1
遺伝性痙性対麻痺 3
多系統萎縮症 8
進行性核上性麻痺 5
大脳皮質基底核症候群 2
原因不明のParkinson症候群 1
Parkinson病 4
Creutzfeldt-Jakob病 4
前頭側頭型認知症 1
特発性基底核石灰化症 2
びまん性軸索スフェロイドを伴う遺伝性白質脳症 1
筋・神経筋接合部疾患 17
重症筋無力症 10
封入体筋炎 3
原因不明のミオパチー 4
末梢神経障害 23
遺伝性ATTRアミロイドーシス 8
ANCA関連血管炎性ニューロパチー 1
Charcot-Marie-Tooth病 1
Sjögren症候群に伴うニューロパチー 3
Behçet病に伴うニューロパチー 1
抗MAG抗体関連末梢神経障害 1
慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー 4
原因不明の末梢神経障害 4
脱髄性疾患 6
多発性硬化症 6
てんかん 4
腫瘍性疾患 5
髄膜癌腫症 1
脳腫瘍 4
内科・全身性疾患に伴う神経疾患 3
甲状腺眼症 1
メトロニダゾール脳症 1
可逆性後頭葉白質脳症 1
その他 33
身体表現性障害 4
頸椎症性脊髄症 1
平山病 1
水頭症 3
片頭痛 1
原因不明のジストニア 2
原因不明の多発脳病変 5
原因不明の白質脳症 2
原因不明の意識障害 2
原因不明の脊髄症 5
原因不明の複視 2
原因不明の脳神経麻痺 1
急性緑内障発作 1
尿路感染症 1
感染性腸炎 1
肺炎 1
計 168例