家族性特発性基底核石灰化症に関する症例報告がNeuropathology誌のオンライン版に掲載されました。
家族性特発性基底核石灰化症(FIBGC)は脳内に石灰化を認める疾患で、一部の症例ではSLC20A2遺伝子の異常で生じることがわかっています。当教室の坂井Dr、林Dr、医王病院の石田Drらは、金沢大学革新ゲノム情報学や新潟大学脳研究所との共同研究で、SLC20A2遺伝子に新規変異を持つ症例の分子病理学的検索を行いました。中枢神経病理ではFIBGCとして典型的な血管壁を主体とした石灰化所見に加え、動脈中膜の変性所見や多発性の脳血管障害が認められました。これらの結果はSLC20A2遺伝子の変異に伴う脳内における無機リン酸濃度の上昇に関連した変化と考えられ、その成果がNeuropathology誌のオンライン版に掲載されました。
Sakai K, Ishida C, Hayashi K, Tsuji N, Kannon T, Hosomichi K, Takei N, Kakita A, Tajima A, Yamada M.
Neuropathology. 2022 Jan 13. Epub ahead of print.