IgG4関連疾患と多発血管炎性肉芽腫症の両者の特徴を認めた肥厚性硬膜炎の症例報告がInternal Medicine誌に掲載されました。
肥厚性硬膜炎は頭蓋内や脊髄の硬膜が肥厚する炎症性疾患です。原因疾患として、わが国におけるこれまでの研究では、ANCA関連血管炎が最も多く、次に IgG4関連疾患が続くと報告されています。富山市民病院の森Dr、当教室の坂井Drらは、血清学的にIgG4の上昇とMPO-ANCA陽性が認められ、硬膜生検では血管炎は認めなかったものの、IgG4陽性形質細胞浸潤と肉芽腫性炎症を認め、IgG4関連疾患と多発血管炎性肉芽腫症の両者の特徴を併せ持つと考えられた肥厚性硬膜炎の症例を経験しました。本例はIgG4関連疾患と多発血管炎性肉芽腫症が類似の疾患スペクトラムとして肥厚性硬膜炎を生じている可能性を示唆しました。その成果がInternal Medicine誌に掲載されました。
Mori M, Sakai K, Saito K, Nojima T, Mohri M, Matsubara K, Hayashi S, Yamada M.
Intern Med. 2021 Nov 20. doi: 10.2169/internalmedicine.8550-21. Epub ahead of print.