Schwann細胞質内にリン酸化TDP-43の蓄積を認めた孤発性筋萎縮性側索硬化症の症例報告がNeuropathology誌に掲載されました。
筋萎縮性側索硬化症は上肢や下肢の筋力低下・筋萎縮、球麻痺、呼吸筋筋力低下などの症状を特徴とする、神経変性疾患です。病理学的には上位・下位運動ニューロンの変性と脱落、TAR DNA-binding protein 43(TDP-43)の神経細胞質内やグリア細胞質内への異常蓄積を認め、異常蓄積したTDP-43はリン酸化されています。リン酸化TDP-43陽性封入体は中枢神経系に広範囲に認められますが、末梢神経系における蓄積の詳細はこれまで明らかにされていません。
今回当教室の進藤Drらは、末梢神経のSchwann細胞質内にリン酸化TDP-43の蓄積を認めた孤発性筋萎縮性側索硬化症の1例を報告し、Neuropathology誌に掲載されました。
Nakamura-Shindo K, Sakai K, Shimizu A, Ishida C, Yamada M.
Neuropathology. 2020 Aug 9. doi: 10.1111/neup.12673. Online ahead of print.