伝導ブロックを認めたsarcoid neuropathyの末梢神経を病理学的に解析した症例報告が Clinical Neurology and Neurosurgery誌のオンライン版に掲載されました。
サルコイドーシスでは末梢神経障害を伴う事があり(sarcoid neuropathy)、 多くの場合は軸索変性型の運動感覚性末梢神経障害を呈します。 これまでに伝導ブロックを伴ったsarcoid neuropathyの報告がなされていましたが、 伝導ブロックを生じる機序の詳細は明らかになっていませんでした。
当科にて初期研修を行った三輪Dr、当科の坂井Drらは、 伝導ブロックが認められたサルコイドーシス症例の末梢神経を病理学的に解析し、 神経周膜の肉芽腫形成と有髄神経線維脱落との関連を明らかにしました。
今回の結果からは、肉芽腫形成による神経束の圧迫が有髄神経線維の脱落を生じさせている可能性が推定され、 その成果がClinical Neurology and Neurosurgery誌のオンライン版に掲載されました。
Miwa T, Sakai K, Nakano H, Yamada M
Clinical Neurology and Neurosurgery, Available online: 28 May 2020