眼瞼下垂を認め、抗アセチルコリン受容体抗体が陽性でしたが、症状や検査所見からは重症筋無力症ではなく、神経核内封入体病であった症例に関する報告がJournal of the Neurological Sciences誌のオンライン版に掲載されました。
2019年3月27日
神経核内封入体病は緩徐進行性の神経変性疾患で、中枢および末梢神経、皮膚をはじめとする様々な臓器に核内封入体を認め、臨床的には認知機能障害、自律神経障害、末梢神経障害などを呈し、頭部MRIの拡散強調画像で皮髄境界に高信号病変を認めることを特徴としています。今回、当教室の林Drらは、緩徐に進行する眼瞼下垂を認め、抗アセチルコリン受容体抗体が陽性でしたが、筋無力症状がはっきりせず、反復筋電図やエドロフォニウム試験の結果から重症筋無力症ではなく、神経症候、画像所見や病理所見から神経核内封入体病と診断した1例を報告し、Journal of the Neurological Sciences誌のオンライン版に掲載されました。