神経内科ニュース

なかじまプロジェクトにおける脳健診受診者と自宅訪問による調査受診者の認知症の捉え方の違いおよび将来の認知症スクリーニング検査受診意欲との関連に関する報告がJournal of Alzheimer's Disease誌に掲載されました。

2018年4月6日

当教室では認知症克服のために、地域における認知症の早期発見、予防をめざしたプロジェクト研究(なかじまプロジェクト)をしています。当教室の柚木心理士、篠原Drらは、なかじまプロジェクトにおいて公民館などで行った脳健診の受診者と自宅訪問による調査受診者(訪問調査受診者)の認知症の捉え方の違いおよび将来の認知症スクリーニング検査への受診意欲(スクリーニング検査受診意欲)をアンケート調査しました。脳健診受診者と訪問調査受診者の両者とも、受診による利益の自覚(例:認知症は早期発見した方がより良い治療を受けられると思う)が高いほどスクリーニング検査受診意欲が高まりました。また、訪問調査受診者では深刻さの自覚(例:認知症は怖い病気だと思う)が高い場合にスクリーニング検査受診意欲が低くなりました。これらの結果より特に訪問調査受診者(積極的に脳健診を受診しない地域高齢者)に認知症の深刻さの自覚を減らす対策が、将来の認知症のスクリーニング検査受診を増やすのに有効である可能性が示唆されました。その報告がJournal of Alzheimer's Disease誌に掲載されました。

Yuki-Nozaki S, Noguchi-Shinohara M, Domoto C, Ikeda Y, Samuraki M, Iwasa K, Yokogawa M, Asai K, Komai K, Nakamura H, Yamada M.

Differences in Dementia Beliefs between Non-Demented Public Screeners and In-Home Screeners and Their Potential Impact on Future Dementia Screening Intention: The Nakajima Study.
J Alzheimers Dis. 2018;62(4):1651-1661. doi: 10.3233/JAD-171177.
 
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