近年、関節リウマチなどの自己免疫性疾患に対して、抗TNF-αモノクローナル抗体であるインフリキシマブによる治療が行われ、良好な治療効果が報告されています。しかし、インフリキシマブの大きな副作用の一つに脱髄性多発ニューロパチーが報告されており、これまでもインフリキシマブ投与開始早期にニューロパチーを呈した症例が多数報告されてきました。今回、インフリキシマブ投与開始後長期間大きな副作用を認めませんでしたが、約5年後に脱髄性多発ニューロパチーを呈した症例を経験しました。この症例は、インフリキシマブ投与開始後長期間経過しても、副作用の出現する可能性を考えておく必要があることを示してます。
この報告が、International Journal of Rheumatic Diseases 誌に掲載されました。

Keiko NAKAMURA, Tsuyoshi HAMAGUCHI, Masahito YAMADA
Demyelinating polyneuropathy after long-term treatment with infliximab
Int J Rheum Dis. 2015 Jul 14. doi: 10.1111/1756-185X.12642. [Epub ahead of print]