神経内科ニュース

フェノール化合物がαシヌクレインのオリゴマー化を抑制しシナプス毒性を軽減することを報告した論文がJournal of Neurochemistry誌のオンライン版に掲載されました。

2015年5月27日

α-シヌクレインはParkinson病、Lewy小体型認知症の原因と考えられている蛋白質です。
当教室の高橋良一らは、フェノール化合物がα-シヌクレインのオリゴマー化を抑制することを示し、特にミリセチン、ロスマリン酸の抑制効果が強いことを明らかにしました。マウスの海馬を用いた実験において、α-シヌクレインオリゴマーにより、LTP (long term potentiation)が抑制され、オリゴマーがシナプス毒性を有する可能性が示唆されました。ミリセチン、ロスマリン酸でオリゴマー化を抑制することで、このシナプス毒性が軽減しました。α-シヌクレイノパチーの治療にフェノール化合物が有用である可能性があります。
この研究がJournal of Neurochemistry (IF = 4.244)に掲載されました。


Ryoichi Takahashi, Kenjiro Ono, Yusaku Takamura, Mineyuki Mizuguchi, Tokuhei Ikeda1, Hisao Nishijo and Masahito Yamada
Phenolic compounds prevent the oligomerization of α-synuclein and reduce synaptic toxicity
J Neurochem. 2015 May 27. doi: 10.1111/jnc.13180. [Epub ahead of print]
 
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