金沢大学脳神経内科

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喫煙と糖尿病が相乗的に認知症発症リスクを高めることを明らかにし、その結果がJournal of Alzheimer’s Disease誌に掲載され、金沢大学からプレスリリースされました。

喫煙と糖尿病が相乗的に認知症発症リスクを高めることを明らかにし、その結果がJournal of Alzheimer’s Disease誌に掲載され、金沢大学からプレスリリースされました。

これまで糖尿病と喫煙はそれぞれが認知症の発症リスクであることが分かっていましたが、両方のリスクを有したときに、単純にリスクが増加するのか、あるいは両者の相互作用によりリスクが、さらに修飾されるのかは知られていませんでした。

本研究では、石川県小松市の一定の条件を満たした住民を対象として 10 年間の追跡調査を行い、喫煙習慣の有無および糖尿病発症の有無と認知症発症リスクの関係を調べました。その結果、喫煙と糖尿病の両方のリスクを持ったときに認知症発症リスクに相乗的交互作用を示すことを明らかにしました。一方、過去の喫煙は認知症の発症リスクを高めないことから,禁煙することで喫煙を続けるよりも認知症リスクを低下できることを示しました。

本研究成果は、糖尿病を発症して喫煙習慣のある人が禁煙することによって将来の認知症発症リスクを大きく下げることができることを示唆しており、糖尿病多発超高齢社会における認知症予防につながると期待できます。

Noguchi-Shinohara M, Hirako K, Fujiu M, Sagae M, Samuta H, Nakamura H, Yamada M

Presence of a Synergistic Interaction Between Current Cigarette Smoking and Diabetes Mellitus on Development of Dementia in Older Adults

Journal of Alzheimer’s Disease, vol. 71, no. 3, pp. 833-840, 2019

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