研究紹介

研究紹介

神経免疫

 
金沢大学神経内科では、高守正治前教授の指導のもと歴代の先生により重症筋無力症(MG)、Lambert-Eaton筋無力症症候群(LEMS)の研究が行われてきた。アセチルコリン受容体(AChR)や電位依存性カルシウムチャネルにおける免疫応答の主要部位の検討、MGにおける免疫吸着療法の開発、TE671を用いた抗ヒトAChR 抗体測定法の信頼性の検証、LEMSにおける抗シナプトタグミン抗体の発見、MGにおける抗体産生臓器の解明など多岐にわたる研究を行ってきた。近年の研究では、吉川弘明先生によりMGに対するタクロリムスの治療効果が動物実験で証明され、この成果をきっかけにその後の治験や保険適応の取得など、現在のMG治療に欠かすことができないタクロリムスの治療適応開拓に貢献した。MGにおける自己抗体の検討においても研究が行われ、抗横紋筋抗体の一つとして抗リアノジン受容体抗体の存在、抗IL-12 抗体の証明、また、丸田高広先生による抗ジヒドロピリジン受容体抗体の報告など意欲的に新規抗体の発見と病態への関与についての研究が進められてきた。近年、MGの研究(吉川先生)には、薬学部や他大学の大学院生も研究のために集まってきている。また、MGの骨格筋における免疫応答や小胞体ストレス反応と病態との関連に関する研究も進められている。
高橋和也先生のもとでは、多発性硬化症と、中枢神経系の免疫担当細胞であるミクログリアの分化誘導法、およびミクログリアによる神経疾患治療の可能性に関する研究が行われている。能登大介先生により、培養系において骨髄細胞からミクログリア様細胞が誘導可能であり、その分化にアストロサイトが重要な役割を果たしていることが報告された。今後は末梢血細胞からのミクログリアの分化誘導と、分化誘導されたミクログリア様細胞の神経免疫疾患、神経変性疾患への治療応用性について、研究が進められる予定である。
今後も重症筋無力症の病態解明、新規治療法の開発を始め、高橋和也先生を中心に多発性硬化症の研究も進められることを期待する。
 
TOPへ戻る