金沢大学脳神経内科

研究・業績

ロスマリン酸プロジェクト

研究紹介

当教室では、アルツハイマー病をはじめとする認知症予防のための介入試験「地域における主観的認知障害および軽度認知障害の高齢者を対象としたロスマリン酸含有レモンバーム抽出物の認知機能に対する有効性に関する検討」〔ロスマリン酸認知症予防プロジェクト(試験略称:ロスマリン酸プロジェクト)〕を、2016年7月から能登の七尾市周辺地域で実施しています。また2017年1月からは金沢市でも実施することになりました。

天然ハーブ等に含まれるポリフェノール類は抗酸化・抗炎症作用などを有することが知られています。アルツハイマー病の主な原因は脳にアミロイドβタンパク(Aβ)が凝集して蓄積することです(図1)。当教室では、アルツハイマー病モデル動物や試験管内モデルにおいて、ポリフェノールの一種であるロスマリン酸がAβの凝集を抑制し、凝集体の毒性を軽減することなどを見い出しアルツハイマー病予防への道を開きました(Hamaguchi, et al. Am J Pathol 2009; Ono, et al. J Biol Chem 2012; Watanave-Nakayama et al. Proc Natl Acad Sci USA 2016; 他)。

ロスマリン酸プロジェクトでは、アルツハイマー病予防効果が期待されるポリフェノール(ロスマリン酸)を豊富に含むレモンバームの抽出物の認知症に対する予防効果を検証します。今回使用する試験食品は、ロスマリン酸含有レモンバーム抽出物をカプセルに入れたものを使用します(図2)。この試験食品は、健常ボランティアに対する臨床試験で、その安全性等が示されています(Noguchi-Shinohara, et al. PLoS One 2015)。

ロスマリン酸含有ハーブ抽出物による認知症予防介入は世界初であり、本研究により高齢者の認知症予防効果を示すことができれば、安全で経済性が高い食品化合物による認知症予防法として確立することが期待されます。

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図1. アルツハイマー病の脳にはアミロイドβタンパク(茶色)が凝集し老人斑(矢印)として沈着している(Aβタンパクの免疫染色)

図2. レモンバーム(ハーブの一種)とその抽出物

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