神経内科ニュース

広汎なアミロイドβ蛋白沈着を伴うFTDP-17の症例報告が Neuropathology誌のオンライン版に掲載されました(2014年11月6日)。

FTDP-17はタウ遺伝子変異に伴う疾患で、脳内におけるタウの異常蓄積を特徴とします。
石田Drらは、R406W変異例でタウ病変に加えて広汎なアミロイドβ蛋白(Aβ)の沈着を認めた患者さんの神経病理所見を Neuropathology誌に報告しました。
R406W変異例はアルツハイマー病に似た臨床経過を示すことから、しばしばアルツハイマー病と誤って臨床診断されていいます。
本例では、脳脊髄液マーカー検査で総タウ、リン酸化タウの上昇ばかりでなくAβ42の低下を認め、臨床でも神経病理所見でもアルツハイマー病に合致する所見がありました。
アミロイド陽性例でもタウ遺伝子解析が必要であることを示す重要な報告です。


Ishida C, Kobayashi K, Kitamura T, Ujike H, Iwasa K, Yamada M.
Frontotemporal dementia with parkinsonism linked to chromosome 17 with
the MAPT R406W mutation presenting with a broad distribution of abundant
senile plaques.

Neuropathology. 2014 Nov 6.

 
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